おはようございます!代表の安田です。
令和6年度の税制改正により、外形標準課税の対象範囲が拡大され、特定法人の100%子法人が新たに対象に含まれることになりました。これに伴い、税負担の急激な増加を防ぐための経過措置として「負担変動軽減措置」が設けられています。本記事では、その詳細と実務上のポイントを解説します。
経過措置の概要
負担変動軽減措置は、外形標準課税の対象となる法人事業税額が、従来の課税方法で計算した場合の事業税額を超える場合に、その超過分を一定割合で控除できるものです。
令和8年度: 超過額の3分の2を控除
令和9年度: 超過額の3分の1を控除
控除は以下の順序で行なわれます。
付加価値割の金額から控除
資本割の金額から控除
対象となる法人
この措置は、特定法人(資本金50億円超の親法人)の100%子法人で、資本金が1億円以下かつ払込資本の額が2億円を超える法人が対象です。対象法人は新たに外形標準課税が適用され、付加価値割や資本割が課税ベースに加えられます。
適用に必要な書類と手続き
負担軽減措置を受けるためには、以下の書類の提出が必要です。
「第6号様式別表5の7」: 控除額に関する計算書
「第6号様式別表5の8」(該当する場合): 電力事業など特定業種の場合に必要な明細書
これらの書類を該当事業年度ごとに提出することが求められます。
実務上の注意点
控除順序の厳守: 所得割からは控除せず、付加価値割と資本割の順に控除を行なう必要があります。
対象事業年度の把握: 対象となるのは令和8年度から令和10年度までの事業年度に限定されているため、計画的な対応が重要です。
税効果会計への影響: 税負担の増減が発生するため、税効果会計への影響も考慮する必要があります。
まとめ
今回の改正は、特定法人のグループ内子法人への課税強化を目的としており、新たに課される税負担に対応するための一時的な措置が設けられました。該当法人は、事前に必要書類の準備と適用要件の確認を徹底することが重要です。
Comments