ASBJが「期中会計基準等」を開発
- 安田 亮
- 3月7日
- 読了時間: 3分
おはようございます!代表の安田です。
企業会計基準委員会(ASBJ)は、2025年2月3日に開催された第540回本委員会において、四半期会計基準および中間会計基準を統合する「期中会計基準等」(仮称)の開発を進めていることを発表しました。本記事では、この新基準の開発背景や基本方針、具体的な内容について解説します。
期中会計基準等の開発背景
現在、日本の会計基準では、四半期決算と中間決算(半期報告)に関する基準が個別に定められています。しかし、これらの基準が分かれていることで、企業の財務報告において不整合が生じる可能性があり、実務負担の軽減と透明性向上を目的に、基準の統合が検討されています。
新たに開発される「期中会計基準等」は、金融商品取引法(以下、金商法)および取引所規則に対応し、四半期財務諸表と中間財務諸表の一貫性を確保することを目的としています。
期中会計基準等の基本方針
ASBJは、新たな基準において以下の原則を採用すると発表しました。
年次財務報告への影響を排除
企業の報告頻度(年次、半期、四半期)によって、年次の経営成績の測定が左右されることがないようにする。
簡便的な会計処理の継続適用
既存の四半期・中間会計基準における経過措置の一部を引き継ぎ、企業の負担軽減を図る。例えば、有価証券の減損処理や棚卸資産の簿価切下げについて、一定条件のもとで簡便処理(切放し法)を継続適用できるようにする。
具体的な基準の変更点
新基準では、四半期と中間の取扱いを整理し、以下のように基準の構成を変更します。
四半期と中間に共通する取扱いと、四半期特有の取扱いを明確に区分
例えば、役員賞与の会計処理など、四半期固有の取扱いは独立した章として整理。
連結と個別財務諸表に関する規定を統合
連結固有の取扱い(持分法の適用範囲の変更等)は、個別基準とは別章で明確化。
他の会計基準との整合性確保
他の会計基準で定められた四半期・中間の会計処理を取り込み、期中の取扱いを一元化。
注記情報の一貫性の向上
例えば、第1四半期決算短信で開示した「1株当たり期中純損益」や「企業結合に関する事項」などは、中間財務諸表でも開示が必要であることを明記。
企業への影響と今後の展開
この新基準により、企業は財務報告の整合性を向上させるとともに、会計処理の簡便化による業務負担の軽減が期待されます。一方で、四半期と中間決算に関する開示要件が統一されることにより、適用の際の実務上の対応が求められる可能性もあります。
ASBJは今後、パブリックコメントを募集し、企業や専門家の意見を取り入れながら、最終的な基準の策定を進める予定です。
まとめ
「期中会計基準等」は、日本の会計基準をより明確で一貫性のあるものとするための重要な取り組みです。今後の動向を注視しながら、企業は適切な対応策を講じる必要があるでしょう。

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