政策保有株式の見直し強化へ
- 安田 亮
- 4月18日
- 読了時間: 2分
おはようございます!代表の安田です。
2025年3月期の有価証券報告書から、上場企業が保有する株式に対する開示ルールが強化されます。具体的には、最近5事業年度以内に「政策保有目的」から「純投資目的」へ変更した株式について、以下の内容の記載が新たに求められます。
開示が求められる情報
保有目的の変更年度
保有目的の変更理由
変更後の保有または売却に関する方針
これまでは、保有目的を純投資に変更すること自体は可能であり、形式的には政策保有株式から外れることとなっていました。しかし一部では、実際には長期間にわたり売却の意思がないにもかかわらず、純投資目的へと名目上変更している例も見られます。
このような形骸化を防ぐため、金融庁は実質的な保有方針や売却予定の有無についても投資家へ明示すべきとする姿勢を強めています。
売却方針の具体的記載例
たとえば、
「発行企業のガバナンス体制や業績、株主還元の姿勢が変化した場合に売却を検討する」
「株価が一定水準を超えた場合には売却を実施する方針」
といったように、企業がどのような条件下で売却や保有の方針を決定するかを明確に示すことが望まれます。
実務への影響と留意点
この改正は、企業のガバナンス体制や資本効率向上に関する説明責任が一層重視される流れの一環といえます。上場企業にとっては、単なる形式的な開示にとどまらず、経営判断の根拠や市場との対話の姿勢が問われる局面となるでしょう。
また、金融庁が示した見解では、「売却時期の明示が困難な場合」であっても、売却判断に影響を及ぼす要素を具体的に開示することが求められています。したがって、内部方針やステークホルダー対応を含めたガバナンス体制の見直しも今後の課題となると考えられます。

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